美容室の多くは集客サイトを利用して新規客の集客やネット予約を利用しています。利用するお客様からしてもクーポンも使えて簡単に予約ができ、とても便利なツールです。
集客サイトで新規客を集客はできても、既存客とトータルすると客数がなかなか増えないサロンも少なくありません。
集客サイトも効果的で便利なツールですが、新規集客に目を向けるあまり既存客をないがしろにしていれば、売上を上げることはできません。
目次
集客サイトに頼る時の注意点
毎月の掲載料
サロンの規模や地域にもよりますが、上位の掲載プランにすれば新規出店の場合は圧倒的に集客できます。
しかし上位掲載プランは高額になるし、安いプランで掲載しても徐々に値上げをされれば経費負担も多くなります。
新規出店の場合はまず多くのお客様に知ってもらいたいので上位プランでも良いのですが、毎月の損益を見て費用対効果はどうなっているのか確認しましょう。
リピート率が低い
利用者からすると、「今日空いているサロン」「クーポンが使える」「いつも利用しているサロンが予約が取れなかったから」などの理由で、今回だけ利用する目的のお客様もいます。逆に考えると自店に来店してくれるチャンスにもなります。
集客を丸投げしてしまう
集客サイトだけに頼ってしまうと、努力しなくてもお客様は来てくれるので自店での新規集客や既存客に再来してもらう努力がおろそかになる場合があります。
既存客の客離れを防ぐ
穴の空いたバケツのように、いくら水を入れても水が漏れていては一向に水はたまりません。また一定のバケツの水の量を維持するために永遠に水を入れなければなりません。
2店舗目、3店舗目と店舗を増やす場合は、そのバケツの水があふれるように、穴を塞ぐことが大事になります。
美容室がオーバーストアになっている以上自店の美容室を知ってもらうためには集客サイトは、なくてはならないツールになっています。
しかし美容室経営をより安定させるためには、既存客をいかに失客させないか(バケツの穴を塞ぐこと)が重要になってきます。
1:5の法則と5:25の法則
「1:5の法則」とは「新規顧客に販売するコストは既存客に販売するコストの5倍かかる」という法則です。
「5:25法則」とは「客離れを5%減らすことができれば利益が25%改善される」という法則です。
分かりやすくいうと、新規のお客様を獲得するのも、一人のお客様の失客を防ぐのも同じ一人のお客様です。
新規客は一人獲得するのにコストがかかります。しかし既存客はすでに来店したことのあるお客様なので、しっかりフォローをして、失客を防げばコストもかからずに利益も安定します。
接触回数を増やす
心理学ではザイオンス効果(単純接触効果)と言います。
例えば遠距離恋愛の場合、会う機会が少ない彼氏よりも身近にいる職場の同僚と付き合ってしまうケースがあります。
それは同じ人に接する回数が増えるほど、次第にその人に対して好印象を持つようになるからです。
サロンの場合ではお客様との接触回数を増やして信頼関係を築くことになります。メンズ客は来店回数が多くなるので年間の接触回数は最低でも約10回程度になり、リピート率も高くなります。
女性の来店回数は男性に比べ少なくなるのでリピート率は低くなります。
しかし女性客の中でもグレイカラーのお客様は来店回数は平均月一回になるのでリピート率は高くなります。
既存客の失客を減らすには年間の来店回数を多くし、お客様との接触を増やすことが重要になります。
接触回数を増やすもう一つの方法はSNSを使って情報を発信することです。お客様とは直接会っていませんが、サロンの情報がいつでも見れればお客様と常に繋がっているようなものです。
ピークエンドの法則
人は過去の経験をピーク(最も感情が高ぶった瞬間)とエンド(最後の印象)で判断しているという理論です。
例えば有名な飲食店に行って行列ができていて待たされても、店内の雰囲気にも癒やされ食事もおいしければ、最後の良い印象だけが記憶に残り、待たされたことは印象に残っていないということです。
サロンの場合であれば
- ピーク:施術中の丁寧な対応や希望通りのスタイルに仕上げる
- エンド:お客さんが帰る際に丁寧に見送る
例えば予約のお客様が時間通り来店したが、待たせてしまった場合でも誠実に誤って、忙しくても丁寧な施術をし帰り際には丁寧な見送りをすれば美容師の誠意が伝わり次回も来店してくれるでしょう。
まとめ
今ではほとんどの美容室が集客サイトを利用しています。しかし、なかなか売上が上がらなかったり、閉店に追い込まれるケースもあります。
なぜ、集客はできても閉店に追い込まれるのでしょうか?
それは新規集客に目を向けるあまり既存のお客様満足を忘れているのかもしれません。
その証拠にサロンでの失客原因の多くは技術の問題よりも美容師の接客態度に関することが多くなっています。
例をあげると「常連のお客様だからといって対応が馴れ合いになっている」「電話対応が悪い」「雑な扱いをされた」など、美容師として社会人としての基本的なマナーができてなく、お客様が気分を害する場合がほとんどです。
新規集客ができなければ次第に客数は減って行きます。それと同時に既存客の維持は美容室経営を安定させる意味ではとても重要になります。
そのためにも顧客満足の前にお客さんに迷惑や不便をかけているところはないか、改めてチェックする必要があると思います。