美容師にとって将来の夢でもある独立開業。技術さえできれば経営者としてもやっていけるのか。
張り切って独立開業するものの、求人や集客で苦戦し思い通りに行かない事もあるようです。
技術さえ出来れば経営もうまくいくのか
一人で開業するとなれば1日に対応できる客数は限られるし、スタッフを雇用すれば人件費もかかります。
勤めていた時より収入が少ないということもあります。
技術力と経営力は別もの
独立後に苦戦する事の一つに集客があります。
以前に務めていた美容室で指名客数が多かったからといって、ほとんどのお客様が来てくれるとはかぎりません。
確かにあなたを追っかけて来てくれるファンのお客様も少数はいると思いますが、ほとんどのお客様は家が近いからなどの利便性で選んでいることが多いからです。
あなたが現在、独立前であるならば既存のお客様をあてにするのではなく、出店予定の地域のお客様にどのようにして来店してもらうかを頭に入れておきましょう。
お店の繁栄は働きやすい職場づくりから
独立前は張り切って「セット椅子が何席で、スタッフは何名募集しよう!」などと、イメージを膨らませてワクワクすると思います。
美容業界は「労働時間」「有給休暇」「社会保険」などの労働環境が整っている美容室はごくわずかです。
そういう条件が整っていなければ美容学校側も、新卒者をあなたの美容室には就職を勧めてはくれません。
美容師の勤続年数は平均6年と言われている中、スタッフ数が少なかったり辞めたりすれば、売上も維持する事は難しくなります。
オープンして1年ぐらいはスタッフも新店舗で働く事でモチベーションも高いのですが、それが日が経つにつれ、日々のサロンワークがマンネリになり新しい刺激を求め転職したいと言い出すスタッフもでてくることもあります。
そうならない為にも日頃から、スタッフとまめにコミュニケーションをとっておく必要があります。
スタッフが成長を感じ楽しく働ける環境が整っていれば離職率も減り、より多くのお客様を対応可能になり、次第に経営も軌道にのってきます。
働き方改革などで、労働時間を見直したり、有給休暇や社会保険の完備など、これまでの美容業界では整備されていなかったのが現状です。
そういうこともしっかり整備し、決まったルールの中で働き方を考え工夫して、皆が楽しく豊かに長く働ける業界に出来てこそ利益の出せる美容室をつくることが出来るのです。
なんの為に独立開業するの?
美容室を独立開業する理由は人それぞれですが、「自分の収入アップ」のためという人もいるでしょう。
しかし、経営者が自分の事だけ考えるのではなく、スタッフの技術の向上と、社会人としての成長、生活の向上を考えて経営をすれば、長期で働くスタッフも増えてくるでしょう。
結婚して家族がいるスタッフがいるのであれば、その家族の幸せのためにも、スタッフを雇用する立場の経営者は責任を持ってスタッフとその家族の幸せを考えた経営を考える必要があります。
スタッフが心から豊かになれば、お客様も気持ちの良いサービスを受けることができ気に入ってもらえます。
そこから少しずつ、地域のお客様に好かれて気に入られ、また行きたい美容室になっていくと思います。
最後に、昨今業務委託の美容室や大型チェーンの美容室も多くなり不安になっているオーナーもいるかと思います。
方法や手法は真似されやすいですが、オーナーの思いや働くスタッフ同士の結束力、地元との人間関係づくりなど、小さな美容室は小さいながらの強みはあります。地域で愛される地域一番店をめざして頑張って行きましょう。