美容師の離職率は1年目で約50%、3年目で約80%、10年目で約92%と離職率の高い職業です。他の職業に比べ「低賃金」であったり「労働時間」が長く拘束時間が長いのも理由のようです。
低賃金
ちなみに2020年の沖縄県人気企業上位の平均初任給を調べてみました。
・高校卒 :月給 約160000円
・短大・専門卒:月給 約170,000円
・大学卒 :月給 約200,000円
こちらのデータを見ると美容室でも、専門学校卒の、170,000円の給料を支払えればと思いますが、沖縄県内の美容室では正直、払えているのはごく一部のサロンだけです。
ほとんどの美容室が個人自営業で小規模で運営をしているので財務的に厳しいのが現状です。
拘束時間
美容師の仕事はサロンワークが終わった後も、アシスタントは技術の習得のために自主練があって、家に帰るのは11時になっていたということもよくあります。
今では働き方改革の一環で、週休二日や年次有給休暇の取得も当たり前になっていて、大手の美容室は企業として当たり前にやっていることです。
また、美容師のスタイリストデビューが3年~5年と、修行期間が長いのも業界の課題でした。
しかし今では、サロンにアカデミーがあり、平日の営業時間内に技術を練習出来るサロンもあります。
今後はそのようなことが当たり前になってくると思うので小規模のサロンでも技術練習の時間帯や習得期間の見直しが必要になって来るでしょう。
人間関係
これは美容業界だけではないと思うのですが、先輩と歳が離れていればいるほど世代間のギャップがでてきます。
後輩を指導する場合、言って聞かせようと気合いが入ってしまい、つい怒ってしまう先輩美容師も多いようですが、怒られて気持ちが落ち込んだ状態では良い接客はできません。
注意する際も、怒らずに「ここをこうしてくれると助かるよ」という、言いかたの方が快く受け入れてくれて、サロンワークでも楽しく良い接客が出来ると思います。
バレーボールで元全日本選手としても活躍した益子直美さんも「厳しい指導」受けてきましたが、「怒らない指導」を始めた理由は、子供達が楽しくのびのびプレーしてほしいからだそうです。
お客様も美容室のドアを開いた瞬間そのお店の空気を感じるものです。
スタッフ同士が仲良く楽しく働くことが出来れば、気持ちも前向きになり、お客様に喜んでもらうことにやりがいを感じるのではないでしょうか。
まとめ
美容師の離職率が3年目で80%ということは、スタイリストになる前にほとんどが辞めるということになります。
美容学校を卒業して社会人として始めて務めた美容室の「給与・労働時間・休暇」が他の会社と明らかに違っていれば、将来が不安になるのも当然です。
これから独立開業をする人や、すでに自分のサロンを経営していて、スタッフを雇用しているのであれば、まず、労働環境を整える所から始めるべきだと思います。