「やりたいことが分からない」「自分に向いている仕事が分からない」のはなぜ?
やりたいことや、夢中になれることが見つからない場合、その理由は「自分中心に考えているから」かもしれません。
「自分は何がやりたいんだろう」「自分は何に夢中になれるのだろう」と自分探しをしている人の頭の中には、自分しかいません。他人がいないのです。
他人の幸福があって自分も幸福
「やりたいこと」を探している人たちは、幸福感のようなものを求めて「夢中になれるもの」を探しているのでしょう。
しかし、人間の幸福とは他人の幸福があって自分も幸福を感じるのです。
それなのに、「自分は何をやりたいんだろう?」と自分だけの世界で自問していては、本気になれるものは見つかるはずがないのです。
「やりたいことが分からない」と言う人は、「自分が何をすれば他人が喜ぶだろう?」という視点で考えてみることが「やりたいこと」を見つける近道なのです。
ある番組で、定年退職した男性が第二の人生を謳歌しようと、退職後に色んな趣味に挑戦していました。おそらく勤めていたときは、忙しくて自分の時間もなかったのでしょう。カメラをやってみたり、登山をやってみたりするも、長続きもせず充実感もないとのことでした。
仕事から解放されて、「自分がしたいことをしているはずなのに、なぜ充実しないのですか?」というレポーターの質問に対して、男性は会社に勤めていたときの方が、部下から頼られ上司から期待され取引先やお客様からも喜ばれて、毎日が充実していたとのことでした。
人間は人との関わりの中で生きています。家族や職場の仲間や地域の人々、お客様など自分の関わりの中で多くの人達の喜びがあって自分自身も幸せを感じることが出来るのです。
他人を喜ばせる
今まで、自分がしたことで他人が喜んでくれたとう経験は誰にでもあると思います。
例えば、あなたが料理が得意であれば、友人を家に招いて手料理をふるまって喜んでもらう。
すると「他人の幸せが自分の幸せ」だということを体感できるはずです。
反対に、夢であった独立開業した場合、「開業はしたが、お客さんが来てくれない」という場合は、自分中心の枠の中で考えているかもしれません。
自分が何をすれば、人の役にたち喜んでくれるのか考えてみましょう。
「自分が何をしたいのか」という自分中心の発想を捨て、「自分が何をすればお客さんや地域の人々は喜ぶだろうか」という発想に切り替えれば良いビジョンは見えてくるはずです。
例えば、美容室を開業して、経営者の考えが「金持ちになりたい、いい車に乗りたい」というようなものであれば、その考えは極めて自分中心であり、スタッフが集まらない、もしくはすぐに辞めてしまう。集客に苦戦することになりかねません。
「お金を稼ぎたい、いい車に乗りたい」という考えは最初のうちは自分のモチベーションになるかもしれませんが、長期にわたって、その地域で商売をしていくのであれば、「どのようにすれば地域の人々に喜ばれるサロンづくりができるか」という発想のほうが、ネット集客に頼らなくても地域の人々から応援されるサロンになるでしょう。