沖縄県では新型コロナウイルス感染拡大を抑え、医療現場の状況の改善を図るため、県独自の緊急事態宣言を9月5日まで延長すると発表しました。(2020/08/29)
今後のサロン経営でも、ウィズコロナ対策を踏まえた安全、安心なサロンの取り組みが重要になってきそうです。
目次
経営者がどう考え、どう動くか
コロナウイルス感染拡大が収束しそうにない状況で、経営者の前向きな判断と行動がなければ、従業員まで不安になってしまいます。
コロナ禍前のサロン経営には戻りそうもない中で、「どう集客するか」「どのように利益を出すか」も大切ですが、その前に経営者自身が従業員の生活やお客様の安心・安全を守るために、どう考えどう動くかという心得/マインドが、今後のサロン経営を左右するのではないかと思います。
経営者の心得
今回は、多くの倒産寸前の企業を立て直したとされる経営コンサルタント、一倉定(いちくらさだむ)の言葉が並べられた書籍「一倉定の経営心得」の中から、一部を紹介していきます。
業績不振の原因
「会社の業績が良くない根本原因は、経営者がお客様の要求を無視しているからであり、お客様の要求を無視している限りどのように頑張っても、業績は良くならない。」
コロナ禍では、お客様が一番に重要視しているのは安全・安心です。そこで経営者がすることは、お客様の要求を素早く実行に移すこと。
例えば「お客様、スタッフのマスクの着用」「来店前の検温・体調の確認」「店内の客数を制限」「セット面の間隔をあける」「椅子、ドアノブ、美容器具の消毒」「定期的な換気」「ドリンクや雑誌の提供は中止」など、今では当たり前になっていると思いますが、しっかり継続することでお客様は安心して来店しやすいですし、スタッフにとっても安心して働ける環境をつくることができます。
最も優れた社員教育「環境整備」
「環境整備には、いかなる社員教育も、どんな道徳教育も足下にも及ばない」
環境整備とは、「規律・清潔・整頓・安全・衛生」のことです。
サロンでも、「モチベーションの研修、幹部研修、マナー研修」など多くの研修に参加した経験があると思いますが、それらは日常の中で発揮出来なければ意味がありません。
自分の行動を変えるには「環境整備」の方が近道のようです。
環境整備の「規律」とは仕事をする上で基本的なもので、美容師である前に「社会人として一般常識やルール・人との約束を守る」ということです。
また、店内を清掃し清潔を保つことで、衛生面でも安心、安全なサロンにつながります。
「なーんだ、こんなの当たり前の事だろ」と思ったあなた!
サロンを見渡してください。スタッフルームはきれいに整頓されていますか?身だしなみはいつも清潔感がありますか?職場のルールは守れてますか?
YouTube講演家の鴨頭嘉人さん曰わく、講演会で話す内容は小学校の時に先生やお父さんお母さんから教わったことを大人に伝えていると言っていました。大人になると基本的な事や当たり前の事を忘れるかもしれませんね。
業績と責任
優れた社長は「うちの社員はよくやってくれる」と人に語り、能力のない社長ほど自社の社員の無能ぶりを他人にこぼす。
サロンの業績は、経営者の考え方と行動で決まるのであって、スタッフのせいではない。
スタッフの無能ぶりを他人にこぼす経営者をたまに見かけるがそういう経営者に限って、本人自身が行動していないし、業績もよくない場合が多い。
会社の人間関係
「企業内に良好な人間関係が維持されているということは、革新が行われていない実証である。」
会社は、外部の変化に合わせて、常に自社の体制を変えていかなければならない場合があります。
社内の革新を進めようとすると、必ずといっていいほど、内部の摩擦や抵抗が発生するものです。
逆にいうと、あたりさわりのない組織、人間関係を壊したくないために、お互いが遠慮する組織は、単なる仲良しグループであって、成長する組織にはならない。現状維持は衰退の始まりだ。
社長の指令
「口頭による指令は忘れられ、文章による指令は守られる。」
私が小学生の頃「図書委員・放送委員・保健委員・美化委員・・・他」などがあって、模造紙に「各委員会のメンバー、目標、役割、実行内容」が教室の後ろにはってあった。
職場でも、誰が言った、聞いてないなどと時間を無駄にせず、スタッフの役割、業務内容、目標を文章にしておけば、具体的で分かりやすく実行に移しやすい。
社員の仕事ぶりと給料
「社長という人種は、社員に低い給料しか与えていないのに、社員の能力に過大な期待を持ちすぎるものである。」
一倉定氏は「1人ひとりが経営者」という言葉が嫌いだそうです。
それは、社員にろくな給料も与えていないのに、社員に経営者の姿勢を要求するのは何ごとであるか、と言っている。
社員にそんなに給料を与えていないのであれば、給料なみの仕事以上を望むのは間違っていると言っている。
まとめ
今回紹介した一倉定氏の言葉は、どこかで聞いたことがあったり知っている内容かもしれません。
しかし職場の人間関係がうまくいかなかったり業績がなかなか良くならない場合、基礎を忘れ怠っているかもしれません。
スタッフの働きが足りないのではなく、社長の行動や思いが足りないかもしれません。経営者自ら率先して実行すれば次第に社員やお客様に良い社風となって伝わっていくと思います。