職場に対して不満がなくても、やりがいを感じないわけ
「動機付け・衛生(不満足)要因理論」の中で、仕事満足に関する要因には不満足要因と満足要因の2つがあります。
「衛生(不満足)要因」とは
会社の方針:経営者の方針や方向性を示しスタッフに十分に伝わっているか。
管理者(経営者や店長)との関係:モチベーションが下がってるスタッフに声かけをし、行動を促しマネジメントできているか。また日頃から業務連絡以外にもコミュニケーションをこまめにとり、信頼関係を築けているか。
労働条件、給与:労働環境、福利厚生は整っているか。
職場の人間関係:お互いが協力し全員で運営している環境になっているか。
気軽に悩み相談が出来る先輩や同僚はいるか。
お客様の声や改善点など気兼ねなく言いやすい環境か。
満足要因とは
一方で「満足要因」とは、「仕事の内容」「達成感」「承認」「責任」「昇進」「成長」などです。これらの要因が十分であるときに、人は働く意欲が高まります。
満足要因が満されることで積極的な動機付けや、やる気に繋がります。
しかし満足要因だけを増やしたとしても、不満足要因が満たされていなければ、スタッフの不満は解消されません。
言い換えれば、衛生(不満足)要因を満たすことは、やる気を引き出すための前提条件なのです。
スタッフのやる気を引き出すには、衛生(不満足)要因の「給与」や「福利厚生」などの働く環境を整えた上で、満足要因である仕事のやりがいや、成長を感じる職場環境が大事になります。
しかし、衛生要因である、「給与」や「福利厚生」が整っていても、職場での存在意義がなく、自分は会社にとって必要性がないんじゃないかと感じれば、働く意欲を失って離職に繋がっていくでしょう。
まとめ
美容室では3年以内の離職率は80%と高く、その多くは「長時間労働」「給料が安い」「職場の人間関係」が上位を占めます。
このことから分かるように
①「まず、衛生(不満足)要因の
安心して働ける労働環境を整える」
それらを整えた上で
②「満足要因」のサポート
スタッフのやる気は、「技術の習得での成長」「目標達成」「先輩やお客様に認められる」「スタイリストデビューや店長に昇進する」など、自分自身が成長や達成感を感じられた時にモチベーションが上がっていきます。
最近の美容室では、社会保険完備、週休二日制、有給休暇などが整っているサロンが当たり前になってきています。
しかし、そのほかにも職場の人間関係や、スタッフの成長や達成感、未来の見えるサロン経営がスタッフの安心感とやりがいに繋がり離職率も減るのではないでしょうか。