いつの時代も、「最近の若いやつは」と言う言葉をよく耳にします。私が入社した時も同じように先輩からそう言われていました。
就職して1年目は会社の事は何も分からないので、先輩に教えてもらわなければ、どう動いていいのか分からないものです。
世代の差があればいつの時代も「最近の若いやつは」とスタッフが育たない理由を部下のせいにする傾向があります。上司は自ら部下に寄り添いどうすれば成長できるかを考える必要があると思います。
感情的に叱るのはもう古い
「なぜ、出来ないんだ」という具体的な内容もなく感情的な言い方と「こうすれば、もっとうまくいくよ」と論理的にいう言い方では、どちらの方が相手に伝わり理解させやすいでしょうか?
前者は人格まで否定された感じがしますよね。それに比べ後者は希望や期待を感じるのではないでしょうか?
人は期待されれば、その期待に答えようとするし、ダメ出しすれば、自分は能力のない人間なのではないかと意欲を失うでしょう。
従来の叱り方が全て悪いとは言いませんが、叱る前にお互いに信頼関係が作れている事が重要になります。
言葉よりも「態度」が良好な関係をつくる
例えば上司と部下の間に相互尊敬、相互信頼がベースにあって心が通い合っている状態であれば、強く叱っても、「自分の事を心配して言ってくれたんだ、頑張ろう」とやる気になる事があります。
部下がやる気になる言葉や、どう叱ったらいいか分からないという上司が増えています。
部下を動かす為に言葉などのテクニック的なハウツーだけで人を動かそうとするから、どう叱ったらいいか分からなくなるのです。
そんな小手先の方法では人を動かす事は出来ません。
部下に対して先輩だからといって上から目線ではなく、相手を思いやる尊敬の念や信頼があってこそ言葉が伝わるのです。
人は周りの人から張られたレッテル通りの人になる
以前に私の職場におとなしく人見知りをする子が入社してきました。
そういうスタッフに対して私が常に心がけている事があります。それは「良いレッテルを貼る」ということです。
例えば毎日そのスタッフに「君は積極的な所があるね」とか「お客様がシャンプーが気持ちいいって言っていたよ」など、良い事で気づいたことは事細かく本人に伝えていきました。
すると次第に自信がついていき、今では見違えるようにリーダーシップをとりチームをまとめるまでになりました。
今まで友達や先生に「君はおとなしいね、人見知りだね」というレッテルを貼られ、そう思い込んでいただけなのです。
後輩に対して上司はどうしてもダメな所が目につくものです。ダメな所は未来志向で「もっとこうすれば良い結果がでるよ。」と期待もってアドバイスすれば本人も希望をもち更にやる気が出るでしょう。
また、後輩を一人でも持ったならば、後輩の長所を見つけて伝えてみてはどうでしょうか。きっとそのスタッフはあなたの貼ったレッテル通りに行動するようになるでしょう。逆に否定的なレッテルを貼ると劣等感を持つようになるので注意してください。
最強のチームをつくるには
職場には育った環境や年齢など異なった個性の人達が集まります。中には「自分さえよければ」と言う価値観の人もいるでしょう。
あなたはWe「私たち」タイプですか、それともMe「私」タイプでしょうか。We「私たち」タイプであれば、後輩のレッスンを見たり営業中にヘルプが必要であれば進んでヘルプに入ると思います。
そういう職場の雰囲気はチームワークが良く一体感があります。
それに比べMe「私」タイプであれば、「なぜ私が後輩の面倒を見なくちゃいけないの」とか、ヘルプをお願いされても「私は今忙しいんですけど」と人のヘルプにはついてくれません。
スタッフ同士の人間関係の善し悪しは職場内の雰囲気にも影響を及ぼします。スタッフ同士の連携がとれている職場はスピーディーに仕事も進みお客様も気持ちよく時間を過ごすことが出来るでしょう。
逆にスタッフ同士の連携がとれていない職場であれば、予約の受付ミスでお客様を時間通り案内出来なかったり、お客様の要望をスタイリストに伝え忘れなど、お客様からすればいい加減なお店の印象を与えることになるでしょう。
つまり一人サロンではなく、スタッフ数名で運営している美容室であればWe「私たち」タイプのスタンスで、スタッフ全員でお客様に喜んでもらう美容室のほうが、居心地が良くまた来たいと思える美容室になるでしょう。